「プロパンガスって、都市ガスよりどれくらい高いの?」
物件探しや検針票を見て、そう疑問に思っていませんか。

ネットだと「2倍」とか「そんなに変わらない」とか、言うことがバラバラで…。

バラバラになる理由があるんです。正しい比べ方を知ると、自分の家がどうすべきか見えてきますよ。
この記事では、業界15年以上の現役ガス屋が、プロパンガスと都市ガスの料金を実際の平均データで比較して、「結局何倍高いの?」に答えます。
よくある「比較の落とし穴」と、高かったときの住まい別の対処までまとめました。
読み終わるころには、自分の家のガス代をどうすればいいか分かりますよ。
▼ まずは30秒。3つの質問で、あなたの家に合った下げ方が分かります。
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この記事を書いた人
母ちゃん
プロパンガス会社に15年以上勤める現役ガス屋
保有資格
プロパンガスは都市ガスの約2倍高い

先に結論です。
同じようにお湯やコンロを使った場合、プロパンガスのガス代は都市ガスの約2倍です(全国平均と東京ガスの料金で計算。計算の中身はこの後の章でお見せします)。
金額の目安でいうと、1人暮らし(給湯器あり)で月5,000円ほど、シャワーをよく使う2人暮らしで月9,000円ほど、プロパンの方が高くなります。
ただし、ここで大事なことが2つあります。
- プロパンガスは物件ごとに料金が違うので、平均より安い家も高い家もある
- 「だから都市ガスに変えよう」ができる家とできない家がある

「プロパン=損」と決めつける前に、まず仕組みから一緒に見ていきましょう。
プロパンガスが高い理由は自由料金制

都市ガスとプロパンガスは、料金の決まり方がそもそも違います。
- 都市ガス:地下のガス管で各家庭へ届ける。料金表が公開されていて、同じ会社・同じプランなら誰でも同じ料金
- プロパンガス(物件情報では「LPガス」とも書きます。同じものです):ボンベをトラックで各家庭へ配送する。料金はガス会社が自由に決める
プロパンガスが高くなる一番の理由は、この配送の人件費です。
ボンベを積んで、一軒一軒お届けして、交換して、点検する。この手間が料金に乗っています。
これは現場の実情なんですが、ガス屋は原則トラックで30分以内に駆けつけられる範囲でしか商売できません(これは安全上の決まりです)。
だから田舎ほどガス屋の選択肢が少なくて、単価が高くなりがちなんです。高い=ぼったくり、とは限らないんですよ。
みみちゃん

じゃあ、うちが平均より高いか安いかは、どうやって分かるの?

検針票の従量単価(「1㎥あたり◯円」と書いてある欄です)を地域平均と比べれば分かります。
比べ方は、こちらの記事に3ステップでまとめています。
プロパンの火力は都市ガスの約2.2倍

ここが、ネットの比較記事のいちばん大きな落とし穴です。
プロパンガスと都市ガスでは、1㎥に含まれるエネルギーの量がまったく違います。
※ガスの種類ごとに決まっている標準の熱量です(都市ガスは最も普及している13Aの場合)。
つまり、プロパン1㎥=都市ガス約2.2㎥分の働きをします。

え、じゃあ「プロパン10㎥」と「都市ガス10㎥」を同じ量だと思って比べちゃダメなんだ。

そうなんです。同じ生活をしても、検針票に書かれる使用量はプロパンの方がずっと少なくなります。
「プロパンの単価は都市ガスの4倍以上!」みたいな比較を見かけますが、火力の違いを無視した比べ方です。

「じゃあ火力が2.2倍あるなら、プロパンの方がお得じゃないの?」と思いますよね。
そうならないのは、1㎥の値段の差が、火力の差よりもっと大きいからなんです。使用量は少なく済んでも、トータルでは約2倍高くなります。
この記事では、ここをそろえて計算しますね。
世帯人数別の料金比較シミュレーション

それでは、同じ暮らしをしたときの月額を比べます。
使用量は、私が現場で15年以上見てきた実感ベースです。
- プロパン料金:石油情報センター公表の全国平均(2026年4月)
- 都市ガス料金:東京ガスの一般料金(基本料金+単位料金。原料費調整は含まず)
- 換算:プロパン1㎥=都市ガス約2.2㎥分
| 暮らし方 | プロパン月額 | 都市ガス月額 | 差額(月) |
|---|---|---|---|
| 1人暮らし・コンロのみ | 約2,800円 | 約1,100円 | 約1,700円 |
| 1人暮らし・給湯器あり | 約9,300円 | 約4,000円 | 約5,300円 |
| 2人暮らし・シャワー多め | 約16,100円 | 約6,900円 | 約9,200円 |
※プロパンの使用量は上から約1㎥・約10㎥・約20㎥。都市ガスは火力の差をそろえて約2.2倍の使用量(約2.2㎥・約22㎥・約44㎥)で計算しています。コンロのみのプロパン月額は、基本料金が大半を占めるため現場感覚の目安です。

給湯器ありの1人暮らしで月に約5,300円、年間で約6万円の差。シャワーをよく使う2人暮らしなら年間11万円ほどの差になります。
冬はお湯を使う量が増えるので、差はもっと開きますよ。
コンロだけの方は差が小さいので、無理に動かなくて大丈夫です。お湯を使う量が多いほど差が開く、と覚えてください。
ここで思い出してほしいのが、最初にお伝えした「プロパンは物件ごとに料金が違う」という話です。
上の表は平均です。平均より高い単価の家なら差はさらに大きく、良心的な会社なら差は縮まります。
だからこそ、自分の家の単価を確認することが、何より先なんです。
都市ガスに変えられる家は条件次第

「2倍も違うなら都市ガスにしたい」と思いますよね。でも、これはできる家が限られます。
変えられる家:前の道路に導管がある持ち家
持ち家で、家の前の道路まで都市ガスの導管(ガス管)が来ていれば、切り替えできます。
ただし、注意点が3つあります。
- 敷地への引き込み工事の費用がかかる(道路からの距離などで大きく変わるため、必ず見積もりを取る)
- ガス機器がそのまま使えない(コンロ・給湯器は部品交換か買い替えが必要)
- 今のプロパン設備が無償貸与なら精算金がかかることがある
変えられない家:賃貸と導管が来ていない地域
- 賃貸:ガスの契約は大家さんとガス会社の間のもの。入居者の判断では変えられません
- 導管が来ていない地域:そもそも都市ガスを引けません。日本の国土の多くはプロパン供給エリアです

うち賃貸だから無理かぁ…。じゃあ高くても我慢するしかないの?

あきらめるのはまだ早いですよ。都市ガスに変えなくても、ガス代を下げる道はあります。次の章で住まい別に紹介しますね。
住まい別 ガス代の下げ方

あなたの住まいに合う方法だけ読めば大丈夫です。
プロパン×賃貸:メール1通で値下げ交渉
ガス会社は変えられなくても、今のガス会社に値下げをお願いすることはできます。
ガス会社を選んだのは大家さんでも、料金の相談は入居者から直接して大丈夫ですよ。
地域の平均価格を添えてメールでお願いするのがコツです。
テンプレート付きで解説しています。
→ 賃貸のプロパンガス代をメール1通で安くする方法|テンプレ付き
プロパン×持ち家:ガス会社の乗り換えが一番効く
都市ガスへの切り替え工事にお金をかけなくても、プロパンのまま良心的な会社に乗り換える方が早くて現実的なことが多いです。
切り替え工事の費用は、新しいガス会社が負担して無料になることが多いです(設備の状況や契約によって変わるので、見積もりのときに確認してくださいね)。
→ プロパンガスユーザー必見!3ステップで平均30%ガス代が安くなる方法
都市ガスの家:すでに安い側。見直すなら使い方
都市ガスの方は、料金面ではすでに有利な側です。
それでも下げたいなら、ガス会社の切り替えや使い方の見直しが効きます。
【Q&A】プロパンと都市ガスの疑問

Q:プロパンにいいところはあるの?→あります
A:災害に強いのが最大の強みです。
ボンベが家ごとに独立しているので、地震のあとの復旧が都市ガスより早い傾向があります。火力も1㎥あたりでは強く、調理用としての能力は十分です。
料金の話ばかりが目立ちますが、ガス屋として15年以上扱ってきて、プロパンそのものは頼れるエネルギーだと思っていますよ。
だからこそ「プロパンをやめる」より、「プロパンのまま、適正な料金で使う」が現実的な落としどころだと思います。
Q:物件情報の「都市ガス」「プロパン」はどこで見る?→設備欄
A:物件情報の設備欄に「都市ガス」「プロパンガス」「LPガス」と書いてあります(プロパンガスとLPガスは同じものです)。
引っ越し先がプロパンの方は、入居前に料金を確認する方法をこちらにまとめました。
Q:プロパンの単価がいくらなら普通?→地域平均と比べる
A:地域によって平均が違うので、「全国一律でいくらなら安心」とは言えません。
石油情報センターが都道府県ごとの平均価格を毎月公表しているので、検針票の単価と見比べてください。
【まとめ】ガス代の下げ方は住まい別

最後に、この記事の要点です。
- 同じ暮らしなら、プロパンガスは都市ガスの約2倍(全国平均ベース)
- 比べるときは火力の違い(1㎥=約2.2倍)をそろえないと間違える
- プロパンは物件ごとに料金が違うので、まず自分の家の単価確認
- 下げ方は住まい別:賃貸→値下げ交渉/持ち家→乗り換え/都市ガス→使い方の見直し
母ちゃん
「プロパンだから損」とひとくくりにせず、自分の家の数字で判断する。これがガス屋としての本音のおすすめです。
5分の確認で、年間数万円が変わることもあります。今日の検針票から、一緒に始めましょう。



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