「給湯器の無料点検です」
そう言われて訪問を受けたり、電話がかかってきたりしたことはありませんか。
「古くて危険」「今すぐ交換したほうがいい」と言われると、不安になりますよね。

実際に危ないなら、早く交換したほうがいいのかな…

ちょっと待ってください。その「無料点検」、悪質業者のトラブルが今、急増しているんです。
この記事では、業界15年以上の現役ガス屋が、悪質業者の手口と見分け方、正規の業者を選ぶポイントまで解説します。給湯器の悪質業者を見分ける方法が分かれば、落ち着いて対応できますよ。
読み終わるころには、不安な気持ちに振り回されず、落ち着いて判断できるようになりますよ。
今まさに業者が来ている・電話中の方は、「その場でできる対処法」の章へ進んでください。
目次をタップすると見たい項目へ飛べます
点検トラブルは3年で4.5倍

先に事実をお伝えします。国民生活センターによると、給湯器の点検に関する相談件数は年々増えています。
- 2020年:245件
- 2021年:335件
- 2022年:561件
- 2023年:1,099件
(出典:国民生活センター公式)
特に70歳以上の高齢者からの相談が全体の7割以上を占めると注意喚起されています。

親御さんが一人暮らしのお宅は、このデータをぜひ共有してあげてくださいね。
悪質業者の4つの手口

国民生活センターとメーカー側の注意喚起をもとに、代表的な手口をまとめました。
① ガス会社や市役所を装う
「契約中のガス会社から依頼されました」「自治体の点検です」と、身分を偽って訪問・電話してくることがあります(出典:ガス給湯器交換サービス公式)。

本物のガス会社が、事前の案内や契約もなく突然「無料点検」で訪問してくることは、通常はありません。
不安なときは、検針票や契約書に書かれた連絡先に、自分からかけ直して確認すれば確実です。
② 「古い・危険」と不安をあおる
給湯器を見せてもらってもいないうちから「もう寿命です」「このままだと危険です」と決めつけてくる業者は要注意です。
本当に交換時期かどうかは、こちらの記事で自分でも確認できます。
→ 給湯器の寿命は何年?壊れる7つの前兆と交換時期を現役ガス屋が解説
③ 「今だけ割引」で即決を迫る
「今日契約すれば半額」のように、その場での決断を急がせるのも典型的な手口です。
まともな業者ほど、比較検討する時間を嫌がりません。
④ 相場より大幅に高い金額を請求する
相場より数十万円高い金額を提示され、30万円台・40万円台で契約させられたケースが報告されています(出典:ガス給湯器交換サービス公式)。

地域や機種によって多少の価格差はあるので、「高い=即詐欺」とは限りません。ただし、あまりに大きくかけ離れているなら要注意です。
給湯器交換の相場観は、こちらの記事で先に確認しておくと、その場で「高いかも」と気づけます。
→ 給湯器を安く買う方法|現役ガス屋がどこで買うのが一番お得か解説
その場でできる対処法

訪問や電話を受けたときに、その場でできる対処です。
- インターホン越しに断る:対面すると、セールストークに押されやすくなります
- その場で契約しない:どんなに急かされても、必ず一度持ち帰りましょう
- 他社の見積もりと比較する:1社だけで決めないことが一番の予防策です

「主人(家族)に相談してから」の一言で、たいていの訪問販売は引き下がります。遠慮せず使ってくださいね。
断り方に迷ったら、次のセリフをそのまま使ってください。
- 訪問の場合:「今は対応できません、失礼します」とドア越しに伝えて終える
- 電話の場合:長々と話を聞かず「必要ありません、失礼します」と伝えてすぐ切ってよい

その場で会社名や委託元を確認できなくても大丈夫です。まずはお引き取りいただき、後から確認すれば十分です。
会社名が分かれば、電話番号をインターネットで検索してみるのも有効です。同じ番号でのトラブル報告が見つかることがあります。
契約しているガス会社やメーカーの認定店なら、通常は訪問前にハガキや書面で案内が届きます。予告なく訪ねてくる時点で、まず警戒してください。
信頼できる業者の3つの特徴

逆に、信頼できる業者を見分けるポイントもお伝えします。
- 施工実績や顧客の声をホームページに掲載している
- 見積もり通りの金額で、追加請求がない
- 施工スタッフの顔や実績写真を公開している
(出典:ガス給湯器交換サービス公式)

「実績があり信頼されている業者ほど、飛び込みの訪問販売はしない」というのが業界の実感です。向こうから急に来た話は、まず疑ってかかって大丈夫ですよ。
もし契約してしまったら

すでに契約してしまった場合でも、あきらめないでください。
契約書などの書面を受け取った日を含めて8日以内なら、クーリングオフ制度で解除できます(訪問販売・電話勧誘販売の場合。起算日は契約日ではなく書面を受け取った日です)。
自分で店舗に出向いて申し込んだ契約は対象外になる場合があるなど、細かい条件があります。日数が微妙なときや判断に迷うときも、まず相談してください。
不安なときは、消費者ホットライン「188(いやや!)」に相談してください(出典:国民生活センター公式)。
【Q&A】給湯器の悪質業者のよくある質問

本当に古い給湯器なら、点検業者に頼んでもいいですか?
その場で決めず、一度お引き取りいただいてから、別の業者にも相見積もりを取ることをおすすめします。
寿命のサインは自分でも確認できます。前兆が実際にあるかどうかは、こちらの記事を参考にしてください。
→ 給湯器の寿命は何年?壊れる7つの前兆と交換時期を現役ガス屋が解説
訪問業者の身分証を確認すればいいですか?
確認は大切ですが、それだけでは不十分です。社員証や名刺を見せてもらい、会社名・電話番号を控えたうえで、委託元とされる会社に自分で電話して確認するのが確実です。
その場では判断せず、必ず時間を置いてください。
高齢の親が心配です。何をしておけばいいですか?
「無料点検」「今すぐ交換」という言葉が出たら、まず家族に電話するよう伝えておくことが一番の予防になります。
まだ何も起きていない今のうちに、こんな一言をかけておくと角が立ちません。
> 「今度、無料点検って人が来ても、契約する前に必ず電話してね」
このページの内容を印刷して、電話のそばに貼っておくご家庭もありますよ。
【プロパンガスをお使いの方へ】給湯器と同じくらい、毎月のガス代も見直せます。
→ プロパンガス代はなぜ高い?相場との比べ方と下げ方をガス屋が解説
【まとめ】その場で決めず、まず疑う

最後に、この記事の要点です。
- 給湯器の点検トラブルは3年で相談件数が約4.5倍に急増している
- 手口は身分詐称・不安をあおる・即決を迫る・高額請求の4パターン
- その場では契約せず、必ず持ち帰って比較検討する
- 契約後でも書面受け取りから8日以内ならクーリングオフが可能
「無料点検です」という言葉を聞いたら、まずこの記事を思い出してください。
正しい相場を知っておくことが、一番の予防になります。


コメント